気配 sign
●山中準展 「睡蓮の街」 YAMANAKA Jun
-3/29終了/巷房2(銀座)
今日も夕焼けに染まっていく街並み
それを眺めながらその向こう側に何かを感じたり思いを馳せて見たりする
1日のこのつかのまに
哀愁に満ちた温かい記憶だった
温かいほどの切なさだったり
人それぞれに。
つかのまの夕焼け時に
●横田藍子展 「森守り」 YOKOTA Ai
-3/30終了/フタバ画廊(銀座)
時に記憶は夢のよう
記憶に焼きつくのには出来事はあまりにも曖昧で
強烈に残るのはその匂いだったり色彩だったりする
いざ作品
輪郭のぼやけた風景
輪郭のぼやけた花々
鮮やかなのは色彩
輪郭が曖昧な花々を通過して
静かに脈打つ花々の呼吸・鼓動が聞こえる
ふと意識していなかった記憶と作品が重なる
そして気づく
キャンバスから聞こえる呼吸と鼓動は
あまりに懐かしく、こんなにも身近なことに
自らのそれらに呼応していることに
生命の息づかいに
気づく
●児玉靖枝展 KODAMA Yasue
-4/5まで/ギャラリー21+葉
白い靄の向こうにうっすらと見える森の輪郭
輪郭は曖昧。
なのに、靄の向こうに何かが強烈に佇んでいる、気配。
思わずその場から動けなくなる
感覚を澄ますと作品の向こう側に確かな息づかいを感じてはっとする
靄の奥からその気配は知らぬ間にこちらにやってきていて
一瞬にして私は包まれてしまった
「ぼんやり」が「はっきり」と立ち込める
気配
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気配
それは言葉よりも、視覚よりも、
ぐわっと、そして瞬時に
心を呼び覚ます
そんなもの
記憶
それは見えたものの記憶と
見えなかったものの記憶と
ある